超ロマンチック!バレエ作品『ロミオとジュリエット』|あらすじ・みどころなど
おはようございます!シェイクスピアの作品として最も有名なお話『ロミオとジュリエット』。これが数十年前にバレエ作品として再び誕生し、大ヒットのバレエ作品となりました。
ロマンチックでドラマチックな作品がバレエにどのように転生したのでしょうか?!今回はバレエ作品の『ロミオとジュリエット』を紹介したいと思います!
概要
- 初演:1940年3月11日
- 会場:キーロフ劇場 @レニングラード
- 振付:レオニード・ラヴロフスキー
- 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
- 原作:ウィリアム・シェイクスピア
あらすじ
登場人物
- ジュリエット…キャピュレット家の一人娘
- ロミオ…モンターギュ家の一人息子
- パリス伯爵…ジュリエットに求婚している
- 乳母…ジュリエットの乳母
- マキューシオ…ロミオの親友
- ベンヴォーリオ…ロミオの親友
- ロレンス修道士
- ティボルト…ジュリエットのいとこ
第一幕
舞台は北イタリアのヴェローナという街。キャピュレット家とモンターギュ家は敵対の関係にありました。あまりにいがみあっているのでヴェローナの長は今後も争いがあれば厳罰に処すると宣言しました。
そんな最中、キャピュレット家では仮面舞踏会が開かれることになっていました。一人娘のジュリエットは生まれて初めての仮面舞踏会でジュリエットと結婚することになっているパリス伯爵に引き合わされることになっていたので、乳母とともに準備で大忙しです。
そして仮面舞踏会が開かれました。大勢の貴族が集まり、ダンスをみんなで楽しんでいます。ジュリエットも婚約者パリス伯爵と踊っています。
一方モンターギュ家の一人息子、ロミオも親友のマキューシオとベンヴォーリオに誘われてこの仮面舞踏会に潜り込んでいました。ジュリエットとロミオが出会うと二人は恋に落ちてしまいます。お互いキャピュレット家とモンターギュ家の一人っ子であるのに好きという気持ちはコントロールできません…
そこへ仮面舞踏会に潜っているロミオとロミオの友人二人をジュリエットのいとこ、ティボルトがみつけ、3人を追い出しました。
その日の夜、ロミオはジュリエットの家の庭に忍び込み、ジュリエットに会いに来ました。二人は家族に隠れて会うことに後ろめたさを感じながらも恋の喜びを分かち合います。
第二幕
次の日、ロミオは友人たちと遊んでいました。そこへやってきたのはジュリエットからの手紙を渡しにやってきたジュリエットの乳母です。手紙には「結婚式の準備をしてください」と書かれていました。
ロミオは大変喜んで、結婚を認めてもらえるようロレンス修道士に頼むため、教会に向かいました。ロレンス修道士は驚きましたがこの結婚によってキャピュレット家とモンターギュ家が仲を取り戻せるのではないかと考え、二人の結婚を認めました。こうして結婚式は挙げられていないものの、二人の結婚は成立しました。
そんななか街の広場では再びキャピュレット家とモンターギュ家が争っていました。さらに前日の仮面舞踏会でロミオたちが潜り込んでいたことに怒っているティボルトは、ロミオの友人のマキューシオに戦いを仕掛けました。ロミオがやってきてティボルトを止めようとしますがティボルトはやめません。ついにティボルトはマキューシオを殺してしまいます。このことに激怒したロミオもティボルトを殺してしまいました。
第三幕
ロミオはティボルト殺害の事件でヴェローナの街からマンチュアへ追放されることになってしまいました。乳母の協力でロミオの出発の前日はジュリエットの部屋で一夜を過ごし別れを惜しみました。
ロミオとジュリエットの秘密の結婚を知らないジュリエットの父は、パリス伯爵との結婚の準備を進めていました。結婚をしたジュリエットはパリス伯爵との結婚を拒むとお父さんは激怒。結婚していないなら家から出ていくように言いました。
悲しんだジュリエットは教会のロレンス修道士に相談に行きます。ロレンス修道士はジュリエットに仮死状態になる薬を渡しました。
ジュリエットが家に戻るとパリス伯爵との結婚を承諾し、両親を安心させました。そしてジュリエットはその夜、恐る恐るロレンス修道士からいただいた薬を飲みます。
次の日の朝、悲惨な状態のジュリエットをみたジュリエットの両親は嘆き悲しみ、無理矢理結婚させたことを後悔しました。
ジュリエットが亡くなった(本当は亡くなっていないけど)話は遠く追放されたロミオのもとにも届きました。ロミオはキャピュレット家のお墓に駆け付け、あまりの絶望に毒薬を飲んで自殺をしてしまいました。
仮死の状態から目覚めたジュリエットはロミオをみつけて大喜びしたのは束の間、行き違って自殺を図ったことに気付くと大きく衝撃を受け、ロミオの後を追うように自殺をしました。
見どころ
多くのバレエ作品は最終幕のグラン・パ・ド・ドゥで締められることが多いですが、この『ロミオとジュリエット』は異なります。
まず最初の目玉とされる踊りは第一幕の最後のバルコニーのシーンでのパ・ド・ドゥなんです。暗い舞台で二人の美しいダンサーが互いに惹かれあい愛を分かち合うこの踊りはどこか神秘的で観る人を魅了させます。
そして第二幕の最後では再び二人が別れを惜しみながら、親密な、ベッドルームのパ・ド・ドゥを踊ります。筆者が実際に観に行ったときはあまりの美しさに胸がいっぱいになってウルウルしてしまったほど情熱的で美しいシーンです。
みどころはロミオとジュリエットの二人のシーンのみではなく、その前後にもドラマチックな展開が待ち受けており、ダンサーの演技力が試される作品になっています。マキューシオが殺されてしまうシーンや、三幕の最後のジュリエットの仮死のシーン、そして行き違って自殺をしてしまうシーン、どれもプロコフィエフの音の重ね方とともにグッとくるシーンです。
オンラインでみることはできる?
『ロミオとジュリエット』は世界各国で数多く上演されておりますがYouTubeでもフルでみることができます。
この↓動画は超有名バレリーナのミスティー・コープランドとマシュー・ボールの公演です。
演技力も高く、見入ってしまいます….!
バルコニーのパ・ド・ドゥはこちら↓
重力がどこかへ消えてしまったようです…(笑)
そしてベッドルームのパ・ド・ドゥです↓
おわりに
いかがでしたでしょうか?多くのバレエ作品とは一味違った濃厚でロマンチックな作品ですよね。
ぜひこの機会にごらんになってみてください!