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クリスマスといえば….『くるみ割り人形』!| あらすじ・見どころ全部紹介します!

おはようございます!世界で最も上演されているバレエ作品『くるみ割り人形』。インスタではクリスマスシーズンになると”IT’S NUTCRACKER SEASON!!!(くるみ割り人形の時期だ!!!)”とリハーサルや公演の写真を載せるバレリーナも多いです。そんな『くるみ割り人形』ですが、実はとても奥が深いんですヨ….今回はくるみ割り人形の世界にご招待し、あらすじや見どころ、トリビアまで紹介したいと思います!

概要

  • 初演:1892年12月7日
  • 会場:マリインスキー劇場 @サンペテルブルグ
  • 振付:レフ・イワーノフ
  • 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  • 原作:マリウス・プティパ

あらすじ

登場人物

  • クララ…心優しい女の子
  • ドロッセルマイヤーおじさん…おもちゃを持ってきてくれるおじさん
  • くるみ割り人形…ドロッセルマイヤーからクララがもらう。魔法で王子様になる?!
  • ねずみ
  • 金平糖の精…おかしの国の女王。クララを歓迎してくれる。

第一幕

その日はクリスマスイブ。クララと弟のフリッツ、そして両親が仲良く暮らすシュタールバウム家は忙しそうにクリスマスパーティーの準備をしていました。次第にお客さんが到着し、クララやクララの弟フリッツにプレゼントを渡し、パーティーはにぎわってきました。

すると急にドロッセルマイヤーおじさんが登場します。黒い服に身をまとい少し怪しそう…でもドロッセルマイヤーはクリスマスツリーに明かりを灯したり、仕掛けで動くおもちゃでみんなを楽しませてくれたり、パーティーをより一層楽しくしてくれました。

さらにドロッセルマイヤーはたくさんの人形をもって女の子たちを集め、好きな人形をプレゼントしてくれるといいました。みんな自分の気に入ったかわいい人形を持っていきます。しかし出遅れたクララは最後に残った、ちょっと不格好なくるみ割り人形をもらうことになりました。

クララはそのくるみ割り人形をとってもとっても大事に遊びました。しかしやんちゃな弟のフリッツがくるみ割り人形を壊してしまいます。悲しんだクララのもとにドロッセルマイヤーがやってきて、すぐに修理してくれました。

そんなこんなでにぎやかなパーティーはあっという間に時間が過ぎてしまい、お客さんは帰っていきました。

みんなが寝静まった後、クララが大事な人形の様子を見にクリスマスツリーのもとにやってくると、ドロッセルマイヤーの姿がありました。さらに自分と同じくらいの大きさのねずみがくるみ割り人形をもった自分を襲ってきます。

やっとネズミが去って、ドロッセルマイヤーは魔法をかけはじめると、クリスマスツリーがどんどん大きくなっていきました。「何が起こっているの?!」そう驚くクララのもとに再びやってきたのはまた大きなねずみ。なんとクララ自身が小さくなってしまったみたい!

いくら押しのけても大きいねずみたちはついてきて、クララは途方にくれてしまいました。しかしそんなクララを助けにやってきたのは大きいくるみ割り人形でした。くるみ割り人形は兵隊たちを連れてねずみの王と戦ってくれます。クララも協力しようとねずみの王様の頭にスリッパを投げるとそれに気を取られたねずみの王様はくるみ割り人形にやっつけられ、クララは助かりました。

王子に変わったくるみ割り人形は神秘的な世界で包まれ、ふたりは踊り、王子はクララを誘導するように雪の国へそりを走らせました。

第二幕

行きついた先はかわいらしいお菓子の国。美しい金平糖の精と王子が二人をはじめとしたお菓子の国のみんなは、クララと王子をを歓迎してくれました。お菓子の国では、チョコレートを表す情熱的なスペインの踊り、コーヒーの美しいアラビアの踊り、お茶の楽しげな中国の踊り、キャンディ・ケーンを表すダイナミックなロシアのトレパック、繊細なデンマークの足笛の踊り、マザー・ジンジャーとその子供たちポリシネルによるエネルギッシュな踊り、美しい花のワルツ、そして最後に金平糖の精と王子のグラン・パ・ド・ドゥなどとっても盛大に楽しませてくれました。

存分にお菓子の国を楽しんだクララはふたたび家に帰り、すぐに眠ってしまいました。

次の日の朝目が覚めるとすべてが元通り。大きなネズミもでてこなければ、普通の大きさのツリーの下には大事なくるみ割り人形。あれはくるみ割り人形がくれた素敵な夢だったのでした。

版によって大きく違う?

上で紹介した『くるみ割り人形』はたくさんある版のうちの一つであり、実は世界中で様々な版が上演されています。

英国ロイヤルバレエ団のためにピーター・ライトが振り付けた版は、次のようなプロローグになっています:

実はくるみ割り人形はドロッセルマイヤーおじさんはねずみを半分ほど殺してしまったことがあります。おじさんの甥、ハンス・ペーターはその復習としてねずみの女王からくるみ割り人形になってしまう魔法をかけられてしまいました。ハンス・ペーターがネズミの王様を殺して女の子と恋に落ちることができれば、この呪いは解けるのです。

一方アメリカではやったものはこのような暗いストーリーをすべて取り去ったものでした。

シカゴを舞台とした移民を絡めた特徴的な版(クリストファー・ウィールドン)や、旧正月の舞台でクララをヌンチャクでいじめるシーンを含む中国の版、パリオペラ座のドロッセルマイヤーと王子が同一人物の版など、本当に様々です。

見どころ

くるみ割り人形は作品全体を通して楽しめる要素が本当にたくさんあります。

まず第一幕のパーティーのシーンはストーリーやドラマがとっても楽しいシーンになっています。客さんを迎えるシーンから、ドロッセルマイヤーがいろいろな人形芸を見せるシーン、大人が踊るシーン、弟とくるみ割り人形の取り合いになるシーン、などなど様々なことが起こります。特にドロッセルマイヤーの人形芸で出てくる人形は本当に人形のような動きをするので、私が小さいころ見たときにはダンサーではなく人形だと思ってしまっていたほどです。ダイナミックで”非人間的”な動きは何度みても面白いです。

第一幕の後半部分ではクララと王子がパ・ド・ドゥを踊ることが多いですが、このパ・ド・ドゥは王子になったくるみ割り人形に、驚くとともに喜んだクララが初めて恋を知る、情緒的なシーンでもあります。そんな大人の階段を上り少しずつ王子様と親密になっていくクララと王子にぜひ注目してみてください!

第二幕の舞台はお菓子の国になりますが、ここで繰り広げられるたくさんの踊りは観る度にワクワクしてしまいます。スペインは情熱的に、アラビアはきらびやかな衣装で高貴な感じ(…?w)、男性は力強く女性はきびきびとした中国の踊り…などなど、衣装や振りが特徴的でどれも「もっと見たかったな~」と思わせてくれます。

そして第二幕の極めつけは最後のグラン・パ・ド・ドゥです!お菓子の国の妖精らしく、きらびやかで繊細なアダージオから始まり最後に向けて音楽とともに少しずつ盛り上がりを見せていくこの、このワクワク感!(語彙力が足りない)

……です。(笑)(訳:観たことのない方はみましょう!)

オンラインでみることはできる?

『くるみ割り人形』は有名なだけあってYouTubeでもたくさんの動画が載っています。

そのなかでもマリインスキーバレエの公演(下)のがおすすめです!
ネズミが出てくるまでのパーティーのシーンは、バレリーナではなく子役(未来のバレリーナ?!)が務める公演が多く、この公演もその一つです。当時12歳の少女のかわいらしいクララと夢の中のバレリーナが務める美しいクララが楽しめます!

次に紹介するのはマシュー・ボーンのくるみ割り人形です。数秒みていただければわかりますが、最初の舞台はパーティーではなく、なんと孤児院。テイストも超現代的な奇抜で面白い作品になっています。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?意外とたくさんの版があることに驚いた方も多いのではないでしょうか?ぜひこの機会にいろいろな『くるみ割り人形』を鑑賞してみても面白いかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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