信じる者は救われる…? バレエ作品『ナポリ』のあらずじと見どころを紹介!
おはようございます!
突然ですがバレエ作品『ナポリ』はご存じでしょうか?バレエ作品の中ではあまりメジャーなイメージはないかもしれませんが実はとっても奥が深いんです。今回はそんな『ナポリ』のあらすじとその魅力を紹介したいと思います!
概要
- 初演:1842年3月29日
- 会場:デンマーク王立劇場 @コペンハーゲン
- 振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
- 台本:オーギュスト・ブルノンヴィル
- 音楽:ホルガー・シモン・パウリ/エドヴァルド・ヘルステッド/ニルス・ウィルヘルム・ガーデ/クリスチャン・ルンビ
あらすじ
登場人物
ジェンナーロ…漁師
テレシーナ…ジェンナーロの婚約者
フラ・アンブロジオ…神父
ゴルフォ…海の王。あんまりいいひとじゃない。
第一幕
ある嵐の日、漁師のジェンナーロと婚約していたテレシーナは船から海へ落ちてしまう。そこで神父のフラ・アンブロジオはジェンナーロに海へ探しに行くように伝えると同時に聖母マリアのお守りを渡す。
第二幕
一方テレシーナは水の精たちに救われる。しかし海の王、ゴルフォの洞窟に連れてこられ、ゴルフォに水の精にされてしまう。
そんなテレシーナを海へ探しに来たジェンナーロが見つける。しかしテレシーナはジェンナーロが誰かわからなくなってしまっていた。ジェンナーロは唯一の望みである聖母マリアのお守りを出し、必死に祈る、、、するとテレシーナが人間に戻った!
(ここで話が終わりそうと思ったのは私だけじゃないはず。)
第三幕
無事二人は村に戻ることができたが、村人たちはジェンナーロに悪魔がとりついていると信じてやまない。
しかし、テレシーナが聖母マリアによって救われたという話を聞くと、村人たちはやっと信じ、二人の帰還を村を挙げて祝福した。
このお話誕生のきっかけ
デンマーク王立バレエのダンサー・振付師・監督でもあったオーギュスト・ブルノンヴィルは、舞台上演中におこったハプニングをきっかけに、王を怒らせてしまい、1841年、停職になってしまいました。そんな彼は旅へ出て、ナポリの活き活きとした文化やフランスの美しい馬車道に出会い、刺激を受け、それと同時に彼に三幕のタランテラの旋律が沸き起こりました。それが『ナポリ』誕生のきっかけとなっています。
またこのストーリーはバレエ作品のなかでもかなり宗教的です。丁度この時代にヨーロッパ中でキリスト教がさかんであっただけありますね。
見どころ
特にわくわくすべきところは第三幕です!軽やかなパ・ド・シス(男性2人と女性4人の踊り)が目玉となり、『ナポリ』誕生のきっかけとなった「タランテラ」で締められる第三幕は、第三幕だけで上演されることも多々あるほどに印象的です。
また踊りだけでなく衣装もナポリを意識した衣装になっていることがおおく、特にパ・ド・シスでは女性が四色の衣装でとても華やかになっています。
音楽も軽やかで、ダンサーもタンバリンで盛り上げ、とてもやはり三幕は印象強いナポリのシーンです。
また2幕の長いマイムも、ジェンナーロ役を務めるダンサーの表現力が試されるところとなっています。
オンラインでみることはできる?
Youtubeにはデンマーク・ロイヤル・バレエ団の公演が全幕公開されています。
また第三幕のみであれば高画質で2014年の公演も楽しめます!パ・ド・シスとタランテラの部分という超贅沢な動画….!
同じデンマーク・ロイヤル・バレエの公演でも回によって衣装やセットが違うのも面白いですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
懸命にお祈りすれば救われる、といういかにもキリスト教的ストーリーですよね。
折角公開されているのでぜひこの時期に一度ご覧になってみてください!